「カプノサイトファーガ・カニモルサス」は、犬や猫など動物の口腔内に常にいる細菌。同感染症は、かまれたり引っかかれたりすることでまれに感染・発症し、発熱や腹痛、吐き気などの症状が見られる。また、糖尿病やアルコール中毒などの慢性疾患がある人や高齢者で免疫機能が低下している場合には、重症化しやすい傾向があるという。
国立感染症研究所の調べによると、2002年から09年にかけて、国内で確認された同感染症の報告事例のうち、重症化したケースが14例あり、6人が細菌の感染が原因とみられる敗血症や髄膜炎などで死亡した。
重症化した患者は40-90歳代と中高年層で、感染原因は「犬の咬傷」6例、「猫の咬傷・掻傷」6例、「不明」2例となっている。
厚労省では、保健所などに報告された動物にかまれたことによるけがの報告数に対する患者数は非常に少なく、同感染症は極めてまれにしか発症しないとしながらも、日ごろから動物との過度の触れ合いは避け、触れた後は手洗いなどを確実に実行するよう呼び掛けている。
なお同感染症は、感染症法に基づく届け出が必要な疾病ではないため、診療した医療機関が行政機関に届け出る必要はないが、国立感染症研究所では今後も調査・研究を進めていくために情報提供を呼び掛けている。
同感染症についての相談や情報提供は、国立感染症研究所獣医科学部第一室03(5285)1111まで。
【関連記事】
・ 感染症サーベイに「課題」―感染研・岡部センター長
・ 新型流行も強毒性想定のBCP策定は1割強
・ 手足口病が2000年以降で最多
・ A型肝炎が過去3年で最多、「食べ物に要注意」と感染研
・ 子宮頸がん原因ウイルスの感染経路、認知度は3割未満
・ <医療事故>ガーゼ取り残し、25年後に摘出 長崎(毎日新聞)
・ 宮崎の10市町、ワクチン接種を受け入れ(読売新聞)
・ 結婚にまつわるイベントの、希望と実態(Business Media 誠)
・ 鳩山首相、対北制裁措置の検討指示=哨戒艦事件で安保会議(時事通信)
・ 警部補を条例違反で逮捕=女子高生にわいせつ行為―新潟県警(時事通信)